あのナチス強制収容所に、
1942.9~1945.4まで入れられても生還できた人
フランクル(1905~1997)の言葉です。
前号で紹介した「夜と霧」の作者です。
夜と霧は、この悲劇を風化させてはならないと
解放後すぐ、わずか9日間で書き上げられた。
どんなにあなたが、人生に絶望しようとも人生があなたに
絶望することは 決してない。
NHK Eテレ100分de名著3月のフランクル「夜と霧」
第4回目ゲストは、「悩む力」などの著書のある姜尚中さん。
フランクルの本「苦悩する人間」で書かれていた人間の苦悩することが
能力という考えから 姜さんは「悩む力」を書かれたそうです。
見たいものだけを見ることが閉塞感を作り出している。
見たくないものから目を背けないことが、
”悩む”ことに つながる、と。
フランクルは言います、
”過去”というものは、すべてのことを永遠に
しまってくれる”金庫”のようなものです。
永遠に刻まれ続けるということで
過去は未来にも劣らず大切なこと。
自分の金庫に忘れがたいものが溜まってくることを大切に。
フランクルは与えられた困難を徹底的に悩み抜き、
苦しみぬいた絶望の果てにこそ、
一条の希望の光が届けられてくるという
人生の真実を多くの人に伝えていきました。
広島の恩人ジュノーにしろ素晴らしい人がたくさんいるのに、
世界が悪い方向に向かうのはなぜか?
一人ひとりの人間が、悩み抜く力を身につけ、
簡単に手に入る安楽で、
気を紛らわさない人生を手に入れることが
本質なのでしょうか!参考になる本を紹介しましょう。

新潮新書 定価 680円+税
医療にたかるな すごい題名です。
作家;海堂尊 の推薦文に、村上智彦は何と闘っているのか。
それは古い日本である。その先に日本の未来をみている。
つまり、本書は希望の書なのである、と。
1961年生まれ、北海道 旭川より車で3時間かかる歌登町(現・枝幸町)で、
産院もなく自宅のソファーで母は産みましたと。北海道薬科大学卒。
病院勤務で薬づけの医療を見て、
効き目があり副作用の少ない薬を使うように
医者に言うも「薬剤師の分際で何を言うか!医者になってからものを言え!」
と一括された。あまりに頭にきたので、薬学の研究者になる道を捨て、
医者に転身。
32歳で金沢医大を卒業し、自治医科大地域医療学教室の
五十嵐正紘教授のもとで研修。
「医者は、治療だけではなく、
地元住民や行政と共同して健康づくりを
やらなければならない。」 地域医療の核を学ぶ。
38歳で北海道の奥尻島の合い向かいの棚瀬町診療所に赴任。
日本の女医第一号荻野吟子が開業した町だそうです。
ここで、革新的な地域包括ケアを実践。高齢者の年間医療費を、
140万円から半分に削減。
しかも禁酒、禁煙など健康保険指導を
すすめるものとしてNHKテレビで放送していました。
町長が変わってしまい方針が変わり辞職。
縁あって、あの夕張市民病院の縮小再建へ。
様々なことに立ち向かい、
5年が経ち、夕張のことは育て上げた人材に任せ、
ささえる医療の実践のために
お隣の岩見沢市で
人々が誇りを持って生き、安心して齢を重ねて行くことが
できるようなまちづくりの仕組みを全国に広める活動をしている。
過剰医療が未来を食い物にしている。
良薬は、口に苦し。
勇気を持ってお読みください。
全ては、知ることから。

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