11月26日(土)12:30よりぺぺら ホール(まちづくりセンター)で、百名ほどの
皆さんと、三人の講師の先生のお話をうかがいました。
私は、先生方との質疑応答時間の司会役をさせていただきました。
熱心に質問やご自分の経験を話していただいた方に感謝いたします。
認知症とよび、痴呆と言わなくなって7年がたちますね。言葉が変わることが
病気の理解に本当に大切だった思います。皆が認知症と言いやすくなりました。
人の尊厳を守ることが大切ですね。家族だけの問題ではなく、認知症は地域の
課題となりました。そして、認知症サポーター100万人キャラバンが、
生まれました。セミナーの内容を振り返りましょう。演者を紹介しましょう。
(1)
三次神経内科クリニック
院長 伊藤 聖 さん
(2)
備北ひまわり基金法律事務所
弁護士 前田剛志 さん
(3)
三次市認知症の人と家族の会
代表 片岡征治 さん
(1)伊藤さんは、 認知症サポーター養成講座標準教材 『認知症を学び地域で
支えよう』に沿ってわかりやすく解説をされました。
教材をご希望の方はお申し出ください。
認知症は脳の病気。脳の細胞が壊れる事によって直接起こる症状を中核症状。
記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などをさします。
このために周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。
本人の性格や資質、環境や心理状態・人間関係など様々な要因が絡みあって
⇒うつ状態や妄想のような精神症状や、日常生活への適用を困難にする行動上の
問題が起こってきます。 たとえば 行動障害。徘徊と言ってしまえば終わりです。
その原因を考えましょう。
自分のことや周囲で起こっていることが正しく把握できなくなると、
行動がちぐはぐになり、支障を生じます。夕方になると家に帰ると外に出ていこうと
するのは、脳の活性が低下する夕方に場所や時間の見当識障害が深まるため。
昼寝をさせて夕方の意識をはっきりさせるとよい。
治せる認知症に外傷に伴う慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、甲状腺機能異常、
薬の不適切な使用もある。薬をやめたり、調整して 回復することもある。
受診は、ご本人が病気を理解できる早い時点が良い。理解を深めればその後の
トラブルを減らすことも可能。
症状の軽いうちに自分の後見人を決めておくこともできる(任意後見制度)。
認知症が進んでも自分らしい生き方を全うすることが可能になる。
「何かおかしいな」と思ったら、かかりつけの先生に相談をしながら専門の先生に
専門的な検査をしてもらうことが大切。
認知症かどうか悩むことがご本人にとっては負担になりますね。
(2)前田さんは、認知症と法的な問題についてわかりやすく話されました。
母親が、認知機能低下で預金を下ろせない。しかし貯金を下ろさないと施設利用料を
払えないとき、実の子供なら預金を下ろせますか? と質問されました。
金融機関の窓口に母親を連れて行ってもお金を下ろすことの理解ができていない
ときには下ろせない。個人の財産は、子どもでも下ろせません。
進行してしまったら成年後見制度を使いましょう。
自分が生きている間のサポーターが成年後見人。判断能力のある内にあらかじめ
認知症が進行した時の成年後見人を決めておくのが任意後見制度。
老後に備えて、相談できる相手を見つけましょう。
⇒親族、地域包括支援センター、社会福祉協会、弁護士、司法書士など。
後見人は、死ぬまで後見人をする覚悟でなる。転勤があってもやめれません。
遺言書も正しく書かないと無効になります。公証人役場の利用も必要。
自分の老後の見通しを持つことが大切です。
(3) 片岡さんは、まず認知症の人の会と家族の会の組織を紹介された。
認知症介護家族がたどる 四つの心理ステップを具体的に話されました。
50代後半から始まったご自分の体験を語られました。実家に帰るたびに物が
増えるばかり、封を切った薬が部屋に散在、薬の管理ができない。
一人にできないと兄弟で交互に引き取るようにしたら、徘徊やら妄想やら
周辺症状にさいなまれることになったと。認知症の理解が大切。

今・介護で悩んでいる人へ。
○体験者に心の内を話してみよう。
○体験者の知恵をいただこう。
○認知症の理解を深めよう。
○早めに専門医に診てもらおう。
三次は専門医がいて恵まれている方。セミナーの開催時間に、
湯崎県知事と交流会があり参加者が分散したのが残念。

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