近視&遠視
<物が見えるしくみ>
目に入ってきた光は角膜、続いて水晶体(カメラのレンズにあたります)を通って屈折され、
眼球の奥にある網膜(カメラで言えばフィルムの部分)に到達します。
網膜でピントが合うように水晶体の厚さを調節します。
<<近視>>
近視は屈折異常の一種で、遠方から目に入ってきた光が網膜より手前で像を結び、
物がぼやけて見える状態です。
近視は、角膜から網膜までの長さ(眼軸長)が正常より長すぎる(軸性近視)か、
角膜、水晶体の光の屈折力が強すぎる(屈折性近視)ことにより起こります。
上図屈折性近視 下図軸性近視
<近視に、なぜなるの?>
近視になる要因はいくつかありますが、主な要因は眼軸(目の奥行き)の長さが
長くなることにあります。成長に伴い眼軸の長さが伸びるため、ピントの合う位置が近くになり
遠くの物がぼやけて見えるようになります。
乳幼児の頃は遠視状態ですが、眼軸の長さが伸びるとともに、
角膜や水晶体の屈折力とバランスが調整されるようになります。
しかし、生活環境の影響などでこれらのバランスが崩れると、近視になると考えられています。
また親が近視の場合、子供が近視になる可能性は比較的高く、遺伝的な要素が
からんでいると考えられます。
<日ごろから心がけましょう>
近視は上記のとおり気をつけていてもなる場合もありますが、目を疲れさせないことも
大切です。正しい姿勢で勉強や読書するようにしましょう。
照明は適度の明るさ(300ルクス・蛍光灯のスタンドで15〜20ワット程度)にしましょう。
ゲームやテレビは60分以上続けない。運動や散歩をして遠くを見る習慣をつける。
また、偏食をせず栄養のバランスを考えた食事も心がけましょう。
<<遠視>>
遠視も屈折異常の一種です。
目に入ってきた光が眼軸の短い眼では網膜の後ろで像が結ぶようになるために
遠くの物も近くの物もピントを合わせにくくなった状態です。
近視は遠くは見えにくい代わりに近くは比較的、楽に見える場合がありますが、
遠視の場合は、遠くも近くもピントを合わせようと調節するため 疲れやすくなります。
(上図屈折性遠視 下図軸性遠視)
<遠視だとこまること>
子供の場合、遠視であっても調節力が強いため、症状が現れない場合が多いのですが、
軽度の遠視でも年をとるにつれ、また強度遠視になると、絶えず目の調節を必要とするため
目とからだが疲れやすくなり、遠視の度が強くなると、内斜視(より目)になったり、
視力の発達がまだ不十分な小児の場合弱視になったりすることもあります。
<遠視チェック>視力は良いけれど・・・・。
目が疲れやすい、落ち着きがない、飽きっぽい、見えにくそうにする。
このような症状のある方は一度眼科で検査をしてみましょう。
また、お子さんの場合は保護者の方が見て、当てはまるようなら やはり眼科で
検査をしてもらいましょう。
<遠視の検査>
遠視の場合、子供では水晶体によって調節されるため、学校の検診で
発見されないのが普通です。眼科では遠視を見つけるために、調節を一時的に休ませる
目ぐすりを用いて検査します。
検査の後は1日まぶしくなって物が見えづらくなりますのでご注意ください。