<結膜炎の種類>
結膜炎は大きく分けて3種類に分けられます。
そのひとつはウィルス性の結膜炎で、これが「はやり目」と呼ばれています。
つぎはアレルギー性結膜炎で、杉やヒノキなどの花粉などによるものと
家のホコリ(ハウスダスト)によるものがあります。
最後に細菌性結膜炎があります。
<ウィルス性結膜炎「はやり目」>
ウィルス性結膜炎は「はやり目」と呼ばれ白目の表面とまぶたの裏側をおおっている結膜に
ウィルスが感染して起こります。これは流行性角結膜炎、咽頭結膜炎、急性出血性結膜炎などが
代表例です。
<ウィルス性結膜炎の症状>
★一般的な症状★
(白目の充血・まぶたの腫れ・目やにや涙が多く出る・目がごろごろする等です)
★流行性角結膜炎★
感染して7〜14日間の潜伏期のあとに発症します。一般的症状と共に結膜にぶつぶつ
(ろ胞)ができ、耳のリンパ節が腫れてきます。
★咽頭結膜熱★
感染して5〜6日間の潜伏期のあとに発症します。
小児に多く、一般的な症状と共にのどが痛み、39〜40℃の熱が出ます。
プールで流行することからプール熱とも呼びます。
★急性出血性結膜炎★
感染して1〜2日間の潜伏期のあとに急激に発症します。成人に多く、一般的症状と共に
白目の血管が破れて出血します。ただ、出血は徐々に吸収されてなくなります。
<ウィルス性結膜炎の注意点>
治療について、残念ながら特効薬はありません。感染を予防するため抗生物質の点眼液や、
結膜炎の症状を和らげるためステロイドの点眼液を使うことがありますが、
基本的に患者さんの免疫力で治します。
症状が軽くなったとき黒目に多くの白い濁りがあらわれることがあります。
症状が軽くなったと言って途中で治療を怠ると濁りが残って視力が落ちてしまいますので、
医師の指示に従って治療を続けることが肝心です。
★患者さんが注意すること★
(1)手を流水、石鹸でよく洗う。
(2)手で直接目をさわったり、こすったりしない。
(3)医師の許可が出るまでお風呂は控える。
(4)点眼液は医師の指示に従って正しくさす。
(5)医師の許可が出るまで学校や職場を休む。
★家族が注意すること★
(1)タオル、洗面器などは別々なものを使う。
(2)患者さんが使った物で煮沸できる物は、煮沸消毒をする。
(3)患者さんが一度使った点眼液を借りたりもらったりしない。
<アレルギー性結膜炎>
アレルギー性結膜炎は花粉やハウスダストが原因になって起こる結膜炎で、
これらの原因物質をアレルゲンといいます。花粉は杉花粉、ヒノキ花粉、草の花粉、など
ハウスダストはダニ、動物の毛やフケ、カビ、ホコリなどが原因になります。
<アレルギー性結膜炎の症状>
まず、目やまぶたがかゆくなり、目をこすったり、かいたりしていると痛みが加わり、
目がごろごろした感じになります。そのままほっておくと結膜が充血して、
まぶたが腫れてきます。
症状は目だけにとどまらず、かゆみに加えクシャミ、鼻水、鼻ずまりの鼻炎などが起きます。
<アレルギー性結膜炎の治療>
基本的に抗アレルギー点眼液を用います。
この点眼液は通常症状が出る前にあらかじめ使用して、症状が出るのを防ぎます。
症状が出た場合軽ければ非ステロイドの抗炎症点眼液を、症状が重い場合は
ステロイド点眼液を用います。
どの場合も症状が治まったと勝手に判断せず医師の指示に従って使うことが肝心です。
<アレルギー性結膜炎の予防法>
★花粉症の場合★
外出時にはメガネやマスクを必要に応じて着用し、家に帰ったら洗顔剤や石鹸で
顔を洗いましょう。
★ハウスダストの場合★
部屋のこまめな掃除をしましょう。
ちなみにホコリ1g中にダニは平均3000匹いると言われています。
掃除機で取り除きますが目安は1平方メートルあたり100匹以下です。
ほかにダニの繁殖条件は温度25℃位、湿度75%前後と言われています。
その防止としてこまめに窓を開けて風通しを良くしたりして室内が乾燥するよう心がけましょう。
<皆さんはどうですか?>
皆さんは顔を洗うとき洗顔剤や石鹸で洗っていますか?
洗顔剤や石鹸で顔を洗ってる人にはアレルギー結膜炎の方が少ないんです。
京都の舞妓さんは白粉(おしろい)などで厚化粧になるためお化粧を落とすとき
人一倍丁寧に顔を洗っているためか、アレルギー性結膜炎の方が少ないそうです。
今日からあなたも洗顔剤や石鹸で顔を洗ってみませんか?
<細菌性結膜炎>
細菌(バイキン)が結膜に感染した結膜炎です。黄色い目やにが多く出ます。
細菌を殺す抗生物質や抗菌剤の点眼液を用います。